アンテナエレベーターについて


最近、C社製のタワーやアンテナエレベーターについて、お問い合わせを受けることが多くなりました。 私個人的には設置をおすすめしたいのですが、そこで、よくある質問の中から設置についての注意事項を書きます。

アンテナがマストごと下りてくるということは、アンテナ設置工事やメンテナンスの作業性を考えた場合とても便利なことです。第一に、タワーの頂部やマストに上らなくても作業ができる点です。条件が良いところでは、屋根上から作業できたり、地上から脚立で作業可能です。 タワーの頂部以上の高さで、大きなアンテナを付けたり撤去したりというのは危険ですし、大きな仕事です。
しかし、アンテナエレベーターを設置する場合、注意をしないといけないこともいくつかあります。


左の図2枚は概要構造図です。クリックすると拡大します。
タワーの上部から下部まで、エレベーターレールと呼ばれる金属の角材が設置してあります。これに沿って架台が上下します。
通常、タワーは末広がりとなっていて、下になるほど幅が大きくなりますが、レールは上から下まで同一幅です。
この角材のレールを架台と一体の鉄棒とローラーで挟み込んでいる構造になっています。架台の高さは1.8m程あり、上部の指示はタワー側がローラー・外側が鉄棒で支持しています。また架台の下部は外側はローラー・タワー側が鉄棒となっており対象です。 負荷が大きくかかる側にローラーを使用してあります。
ピン(ツメ?)のような物で角材レールを挟み込んでいるというイメージです。このような構造のため、レールから外れることはないかというと、ないとはいいきれません。いや、場合によってははずれます。 実際、過去台風などで災害復旧に行ったことがあります。
しかし、対策をきちんとしておけば安全度は増します。それは、レール上でエレベーターの架台を停止する位置と固定です。 架台を停止する位置はメーカーのマニュアルにもきちんと指定されています。はずれる可能性を認識しているからです。 また、アンテナブームや本体をロープや金物を使用し強固に固定して振られないように対策を講じます。
次に、意外と見落としがちなことが、タワーの方向とアンテナとの関係です。
左@図を見ていただくとおわかりのように、エレメント数が偶数の場合は、タワー本体と干渉することが少ないのですが、A図のようにエレメント数が奇数のアンテナに干渉が多くみられます。
メーカー製のアンテナは、性能はもちろんですが、全体のバランスも考えてエレメントの配置をしています。
タワーに沿ってアンテナが上下するという前提に設計されていないため、アンテナを設置したら下まで下ろせなかったり、タワーの面に平行に下ろせなかったりという問題が発生します。
B図のように方位を回せば下りてきますが、隣地上空へエレメントが入っしまったり、他の工作物や電線に近くなったり様々です。
少しのエレメント干渉であれば、各エレメントを同一方向へ同じ長さだけブーム上を移動する方法もあります。但し、移動できてもブーム長の許容の範囲内ですので、数センチ程度だと思います。
このように、ブーム上を全エレメント均等に移動させた場合、バランスの問題が発生します。
特に、大きなアンテナの場合はこの点が問題です。
過去の一例を紹介しますが、C社の20mのタワーを建設し、アンテナエレベーターを設置しました。これにN社の7M/10Mの3ELを取り付けましたが、アンテナを下げた場合エレメントが若干タワーに接触しました。そこで、各エレメントを10cmほど、均等に移動しました。これで干渉の問題はみごとに解決しました。が、新たな問題が・・・・。それは、ブーム上のエレメントが片寄りしたため、左右のバランスが悪くなり、負荷が大きくなった側のレールと挟み込みの鉄棒との摩擦が大きくなり、上下させると金属の摩擦音「キ〜ン」という騒音が発生したのです。もともと、レールと架台がはずれないように設計してあるため、架台の鉄棒とレールの隙間(余裕)はほとんどありません。
そのときにとった対策は軽い方のブームに金属を詰め込むという原始的な方法で、なんとかバランスを確保しましたが、全体的な重量は増しました。
C社の規定のワイヤーはSUS直径4mmで、加重は200kgです。
今後、既設のタワーにエレベーターを設置される方も、新設される方も、このようなことを検討されたほうが良いでしょう。